ある画像に修正が入り、拡大率(縮小率)を修正前の画像と修正後の画像とで出来るだけピッタリと合わせたい時の手順をまとめます。あたりのトリミングに合わせる時や、色違いのオブジェクトが写った写真を切り替えるときや、画像に修正が入った時など、比較的よく使います。
必ず守らなければならないこと
拡大縮小は自由変形ツール[ctrl+T]で行うが、1回の編集で行うこと。何度か試してみるのは自由だが、最終的には1回で行わないと画像の劣化が激しいです。
調整方法A
- 調整する編集前の画像のレイヤーと新しい画像のレイヤーを用意する
- 新しい画像のレイヤーを前面にもってきて、階調の反転[Ctrl+I]する
- レイヤーの透明度を50%[5]にする
- 自由変形ツール[Ctrl+T]で拡大率を元の画像に合わせる
(単純な移動だけの場合は矢印キーのみ) - 自由変形ツールの編集を実行[Enter]する
- 透明度を100%[0]を元に戻し、階調の反転[Ctrl+I]し直して終了
1. 編集前の画像
この画像に全く同じ画像を位置合わせする。
2. 階調の反転をした画像
3. 階調の反転をした画像の透明度を50%に
4. 反転し透明度を50%にした画像の自由変形(移動)
位置が合っていないとエンボス効果のように見える。
位置が合うとK50%のグレー1色で表示される。
5. 6. 画像が一致したのを確認して元にもどす
階調の反転で画像の劣化はおきるか
おきません。それこそ、上記の処理で重ね合わせたらキレイなグレーになるでしょう。
階調の反転の繰り返し回数 | 画像 |
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0回(元画像) | ![]() |
1回 (階調の反転処理を2回) |
![]() |
10回 (階調の反転処理を20回) |
![]() |
30回 (階調の反転処理を60回) |
![]() |
階調の反転と縮小で画像は劣化するか
[階調の反転]を行わずに[画像を縮小]したものと、[階調の反転]後に[画像を縮小]したものを再度[階調の反転]で元にもどしたものとを比べると、画像は劣化しているでしょうか。していませんでした。
(A) | (B) | |
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(A) は [階調の反転]を行わずに
[画像を縮小] (B) は [階調の反転]後に [画像を縮小] |
![]() |
![]() |
(A) は 全く同じレイヤーをコピーし階調の反転したものと重ねた (B) は(A)のレイヤーと重ねた それぞれ透明度は50%にしてある |
![]() |
![]() |
レベル補正により小さな階調の差を極端に表示 | ![]() |
![]() |
重ね合わせた画像は一見グレー1色だが、階調の反転したレイヤーを透明度50%で重ねても小さな階調の差は存在するようです。その差をレベル補正で極端に表示しましたが、差の絶対値で確認しても差はありませんでした。肉眼では判別できないとはいえ小さな階調差が出来てしまうのが、この調整方法Aの特長です。
調整方法B
- 調整する編集前の画像のレイヤーと新しい画像のレイヤーを用意する
- 新しい画像のレイヤーを前面にもってきて、描画モードを差の絶対値[Alt+Shift+E]にする
- 自由変形ツール[Ctrl+T]で拡大率を元の画像に合わせる
(単純な移動だけの場合は矢印キーのみ) - 自由変形ツールの編集を実行[Enter]する
- 描画モードを通常[Alt+Shift+N] に戻す
3. 差の絶対値での位置合わせ画面
ピッタリ合っていないとエンボスがかかったような効果だが、調整方法Aに比べ見にくい。
ぴったり合っていると真っ黒になる
僕の結論
普段は調整方法Aを使っています。見やすいからです。